お花見は桜だけじゃもったいない!季節別「花と紅葉の見頃」を紹介
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記事更新日: 8562pv
記事更新日: 2022-04-08 8562pv
魅力的な四つの季節を持つ日本。そうした季節の移り変わりを強く感じさせてくれるものの一つは、各地に咲く花です。また、それらの美しい花々は、人の心を穏やかに、そして豊かにしてくれます。
それぞれの花の「名所」と呼ばれるスポットを訪れることで、その感動はさらに増します。ただ、たとえば鍾乳洞や歴史的な建築物のように、訪れる時期を問わないものと違い、花はある時期だけ咲いて、儚く散ってしまうものです。
だからこそ素晴らしいとも言えますが、せっかく見に行くのなら、満開のタイミングを狙いたくなります。そこで今回は、人気の花々の見頃と、その名所についての情報をまとめてみました。
花の咲く時期は地域・品種によって大きく異なるため、この表では、主に関東の(極端な早咲き・遅咲きを除いた)一般的な時期をまとめています(※一つの観光地の情報ではなく、複数の人気観光地の開花時期・見頃の大まかな平均です)。
最も選択肢が多いのは、やはり暖かな春ですが、それ以外の季節にも大きなイベントが行われるような花はあり、旅行にうまく取り入れれば、素敵なアクセントとなります。
いくつもの花の見頃が重なってしまう春に旅するなら、「午前中はAの花専門、午後はBの花専門の観光地に行く」、あるいは「できるだけ多くの花が咲く観光地を選ぶ」という欲張りなプランを考えてみるのもおもしろいかもしれません。
※本記事では首都圏(1都6県+山梨県)を「関東」としています。
冷たい風が吹く冬にも、寒さに負けない花はあります。水仙もその一つで、1月の上旬頃から2月の下旬頃までが見頃という地域が多く、この時期の貴重な選択肢となります(※茨城県の「国営ひたち海浜公園」のように、関東にも水仙が3~4月に咲く観光地はあります)。
日本の水仙三大群生地の一つとされる千葉県の「鋸南町(きょなんまち)」には、「江月(えづき)水仙ロード」と呼ばれる約3kmの道があります。その名のとおり、左右に無数の水仙が咲いているこの道は、爽やかな花に応援されながら歩けるハイキングコースとして人気を集めています。
残り二つの群生地である兵庫県(淡路島)の「南あわじ市」や、福井県の「越前町」も、水仙鑑賞にはおすすめの旅行先です。
関東の梅は、早い所では2月の初め頃から、遅い所では2月の終わりに花開き、1ヶ月ほど咲き続けます。咲き始めは、うららかな春にはまだ遠い時期ですが、紅白の花は厳しい冬の終わりを教えてくれます。
梅を愛した菅原道真を祀る文京区の「湯島天神」は、雪のようにも見える白梅が評判で、ふと梅が見たくなった時にありがたい、気軽に行ける名所です。
より本格的に梅を見たいなら、茨城県の「偕楽園(かいらくえん)」へ。園内には、水戸にしか存在しないとされている「烈公梅(れっこうばい)」をはじめとした約100品種の梅が植えられています。約3,000本の梅には早咲きの品種もあれば遅咲きの品種もあり、2月と3月はいつ訪れても凛とした花に出会えます。
春風に揺れる姿を見ていると、自然と穏やかな気分になれる菜の花。関東では、3月に入ると黄色い花をつけ始め、4月の中旬頃まで豊かな姿が見られます。
千葉県の「東京ドイツ村」のように、早咲きの品種を育てている所では、1~2月に見ることもできますが、基本的には春の花です。同じ千葉県の「マザー牧場」を春に訪れれば、約350万本の菜の花と元気な動物たちが迎えてくれますし、海沿いの大原駅と上総中野駅を結ぶ「いすみ鉄道」に乗り込めば、車窓から菜の花が楽しめます。
隣の埼玉県の「権現堂堤(ごんげんどうつつみ)」は、桜の名所としても知られる場所ですが、同じ時期には菜の花も咲き、桜色と黄色に染まった道を散歩できます。
「儚い」という言葉がよく似合う桜。開花から満開になるまでと、そこから散ってしまうまではどちらも1週間ほどと短いため、可憐な姿を見られる期間は開花時期(関東では例年3月の下旬頃)から1~2週間しかありません。この限られた見頃を逃さないよう、天気予報には十分注意する必要があります。
桜の名所は都内だけでも「目黒川」や「六義園(りくぎえん)」、「千鳥ヶ淵公園」など、かなりの数が存在しますし、すこし足を延ばせるなら、菜の花との組み合わせも美しい埼玉県の「熊谷桜堤(くまがやさくらつつみ)」や、参道に見事な桜が並ぶ静岡県の「三嶋大社」など、候補は無数に増えます。
静岡県には、2月下旬から咲き始める「河津桜」もあり、他の地域より一足早くお花見が楽しめます。
鮮やかな色合いに、つい目を奪われてしまうチューリップの見頃は、3月の半ばから4月の終わり頃まで。桜や菜の花とは対照的に、元気に春の訪れを告げてくれます。
人気のある花のため、多くの観光地で目にすることができますが、千葉県の「佐倉ふるさと広場」や北海道の「かみゆうべつチューリップ公園」のように、チューリップだけにこだわった場所もあります。佐倉ふるさと広場で毎年行われているイベントの規模は関東最大級で、70万本近いチューリップが見事な花を咲かせます。
チューリップ専門ではないものの、オランダの街並みが再現されている長崎県のテーマパーク「ハウステンボス」のイベントも素晴らしく、約700品種ものチューリップが見られます。
群生している所では、彼方の青空との境目がわからなくなってしまうような、澄んだ色が心に残るネモフィラ。関東での見頃は4月下旬から5月上旬で、ゴールデンウィークのお出かけにもおすすめです。
茨城県の「国営ひたち海浜公園」は、このネモフィラの聖地のような場所です。約450万本のネモフィラが大地を埋め尽くす様子は圧巻で、その光景をひと目見ようと、海外から訪れる人々の姿も年々増え続けています。
関東以外の地域でも、丘の上からネモフィラのじゅうたんと海が見渡せる兵庫県の「国営明石海峡公園」や、約150万本のネモフィラが海のように広がる福岡県の「国営海の中道海浜公園」といった観光地で、かわいい空色の花を楽しめます。
長く垂れ下がった姿が目を引く藤は、4月の中~下旬から3週間ほど紫や白の花をつけます。
東京一の名所と言われているのは、下町の天神さまとして信仰を集めている江東区の「亀戸(かめいど)天神社」。池の水にも映り込む100株以上の藤が、境内を紫に染め上げます。
近隣の県では、栃木県の「あしかがフラワーパーク」も非常に人気がある藤の名所です。こちらの樹齢150年の大藤は海外でも高い評価を受けている、見ごたえのあるもの。園内には4月の中頃からの約1ヶ月間、桜色・白色・紫色・黄色の藤が咲いていき、訪れる時期によって違う景色が見られます。日本での栽培が難しい、黄色の「きばな藤」が80mも続く藤のトンネルの散策は、貴重な体験となるでしょう。
芝桜の時期は、桜が咲き終わる4月の中旬から5月の中旬。遅咲きの桜となら、同時に見ることも不可能ではありません。
「芝」という文字が示すように、地面を覆う植物ですが、花の形は桜とよく似ていて、それが一面に広がる光景は、不思議な感動を与えてくれます。
関東発の日帰りバスツアーで高い人気を誇る名所は、富士山と約80万株の芝桜が互いを引き立てあう山梨県の「富士本栖湖リゾート」です。その他、関東には、桜とのコラボも楽しめる群馬県の「東武トレジャーガーデン」や、「芝桜の丘」という愛称で親しまれている埼玉県の「羊山公園」、関東最大級という規模が自慢の「東京ドイツ村」など、多数の芝桜の名所が存在します。
バラは、春だけに花を咲かせる「一季咲き」と、春に加え夏や秋にも咲く「四季咲き」に分けられます。四季咲きの多くの品種が、夏の間も定期的に咲き続けるわけではないため、大きなイベントが開かれる見頃は春(5月上旬~6月上旬)と秋(10月上旬~11月上旬)になります。
都内にも北区の「旧古河庭園」という訪れやすい名所がありますが、「ベルサイユのばら」の登場人物をイメージしたバラが咲く千葉県の「京成バラ園」や、日本最長のバラの回廊を歩ける山梨県の「ハイジの村」などもおすすめです。
また、岐阜県の「花フェスタ記念公園」は品種の多さ(※約7000品種)で有名ですし、長崎県の巨大テーマパーク「ハウステンボス」で行われる、120万本ものバラを揃えたイベントも素晴らしいです。
一般にあやめと呼ばれるのは、5月の前半に咲くアヤメと後半に咲くカキツバタ、そしてそれらより遅く(地域によっては6月の終わり頃まで)咲くハナショウブです。遠目には同じように見えますが、近くに寄ると微妙な違いがあることがわかります。あやめの名所を訪れた際は、この違いに注目してみましょう。
毎年5月の終わり頃から6月の下旬にかけて、大きなイベントが行われる茨城県の「水郷潮来(すいごういたこ)あやめ園」では、約100万株ものあやめが、紫や白の花をつけます。品種も約500種類と膨大で、あやめ鑑賞の際にはまず考えてみたい観光地の一つと言えるでしょう。
軽いお出かけなら、下町の風情も味わえる葛飾区の「堀切菖蒲園(ほりきりしょうぶえん)」もおすすめです。
あじさいが咲くのは、関東では6月の初めから終わり頃までです。曇り空と雨が続く梅雨の時期でも、彩り豊かなあじさいを見れば、不思議と元気が湧いてきます。
都内にも、9,000~1万株のあじさいが見られる「国営昭和記念公園」と「としまえん」という、比較的大規模な名所がありますが、千葉県の「花野辺(はなのべ)の里」は関東最大の規模を誇ります。実に6万株以上という大量のあじさいは、紫や青、ピンクや白など色とりどりで、薄曇りの日でも輝いて見えます。
花の美しさという点では、「あじさい寺」の異名を持つ神奈川県の「明月院(みょうげついん)」も評価の高い名所で、「明月院ブルー」とも称される深い色合いのあじさいを見ることができます。
その爽やかな香りには、心を落ち着かせる効果もあると言われているラベンダー。鮮やかなものから白に近いものまで、濃淡さまざまな紫色の花の見頃は、6月の下旬頃から7月の中~下旬です。
ラベンダーと言えば、テレビドラマで一躍有名になった北海道の「富良野」の印象が非常に強いのですが、東京から気軽に行ける範囲内にも、関東最大規模のラベンダー畑を持つ群馬県の「たんばらラベンダーパーク」があります。
日本のラベンダーの栽培地の中では最も標高が高いため(※1,300m以上)、早咲きの品種でも開花が7月上旬と遅く、それが満開となる7月の中旬から、遅咲きの品種が寂しくなる8月の下旬頃まで、長期間ラベンダーを楽しめます。
ひまわりの見頃は、7月の終わりから8月の中頃までです。晴れやかな空と眩しい太陽の下に、黄色と緑のひまわり畑が広がる様子は、誰もが共感できる夏らしい光景と言えるでしょう。
関東での注目スポットは、山梨県の「明野(あけの)町」のひまわり畑です。60万本のひまわりが咲くこの地域では、毎年大きなイベントが開かれています。
おもしろいことに、茨城県にも同名の「明野町」があり(※現在は他の町と合併して筑西市となっています)、やはり多くのひまわりが咲いています。「ひまわりの里」と呼ばれるこちらで目立つのは「八重ひまわり」という、種が見えない形をした品種です。見頃は8月下旬~9月上旬と他の地域より遅いため、ひと夏に2回ひまわりを見に行くこともできます。
「陸のマリモ」のようなかわいい形のコキアは、7月に緑色の葉を茂らせ、10月の初めから終わりにかけて赤く染まり、11月に入る前には黄金色へ変わります。一番の見頃は、この赤から黄色へと移り変わる状態を見られる10月ですが、夏の青々としたコキアも豊かな生命力を感じさせてくれます。
コキアの名所としてよく名前が出るのは、「国営ひたち海浜公園」です。園内の「みはらしの丘」と呼ばれるエリアに、一つひとつ丸まって並んでいるコキアはとてもキュートで癒やされます。
また、岐阜県には名前にコキアが入っている「ひるがの高原コキアパーク」があります。冬にはスキー場になる園内には、リフトが設置されていて、秋はそれに乗って上からコキアを眺めることができます。
花ではないのですが、街並みや山々を赤や黄色に染める紅葉も、日本の秋を彩る重要な存在です。関東では、多くの名所が例年10月後半から11月後半までの間に見頃を迎えます。
秋の自然を満喫するなら、山や森の散策がおすすめですが、ケーブルカーで登りながら左右の紅葉を見られる東京都(八王子市)の「高尾山」のように、気軽に楽しめる観光地も多数あります。神奈川県(箱根)の「駒ケ岳」や群馬県の「茶臼岳」などロープウェイのある観光地で体験できる、紅葉を眺めながらの空中散歩も爽快です。
また、紅葉は歴史ある建物との相性も抜群。鎌倉・奈良・京都といった古都へ出かけたり、都内の社寺を巡って、日本の秋を感じさせる写真を撮ってみてはいかがでしょう。
この記事を書いた人 日帰りバス旅行会社スタッフ
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